• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

無機ポリリン酸ナトリウムを用いた歯槽骨再生治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21792039
研究機関松本歯科大学

研究代表者

高田 匡基  松本歯科大学, 歯学部, 助手 (00507684)

キーワードポリリン酸 / リン代謝 / ATDC5 / 軟骨形成 / 骨形成 / 軟骨分化
研究概要

本研究では,ポリリン酸による歯・歯周組織再生促進メカニズムを明らかにすることを目的とし,ポリリン酸の軟骨前駆細胞への作用を検討した。マウス軟骨前駆細胞株ATDC5を5% FBS添加DMEM:F12(HAM)=1:1等比混合培地にて培養。48時間後に5% FBS、1% insulin-transferrin-selenium solutionを添加したα-MEMに交換し、さらに24時間後、平均鎖長60、1mmol/Lのポリリン酸、β-グリセロリン酸をpositive controlとして添加し35日間培養を行った。石灰化の同定は、アリザリン・レッド染色、軟骨基質産生の評価は、アルシャン・ブルー染色を行い検討。遺伝子発現の評価はRT-PCRで検討、遺伝子産物の同定にはWestern blot法を用いて検討した。ポリリン酸分解活性は、薄層クロマトグラフィーで検討した。
その結果、アリザリン・レッド染色では、ポリリン酸を添加群で石灰化基質の形成を認め、細胞の分化が促進された。アルシャン・ブルー染色では、ポリリン酸を添加群で軟骨基質が少なく比較的早期に軟骨形成を開始した。RT-PCRの検討では、軟骨形成の関連因子(sox9、aggrecan、10型collagen)において、ポリリン酸添加群でいずれも培養初期に発現量が最大となり、軟骨分化がごく短期間に行われることが考えられた。リン代謝関連因子(Pit1、ANK)の検討では、それぞれの発現量は徐々に増加、リンの取り込みは活性化され同時に細胞外ピロリン酸の濃度も増加すると考えられる。
リンの分解関連酵素(ENPP1、ALP)の検討では、ENPP1では、その発現量に有意な変化は見られず、ALPの発現量がポリリン酸添加では低下した。一方Western Blotの蛋白発現では、ALPの発現は、ポリリン酸添加はコントロールよりも発現レベルが低下した。
薄層クロマトグラフィーでの検討では、ポリリン酸添加群では、リン酸、ピロリン酸のほか3リン酸、4リン酸などの代謝産物の著名な増加がみられ、ALPとは異なるポリホスファターゼ活性の亢進が示唆された。
今後,ポリリン酸の軟骨細胞による軟骨形成による軟骨形成、骨形成にかかわるリン代謝機構とそのメカニズムを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] In vitoro 内軟骨性骨化モデルにおけるポリリン酸の石灰化促進作用2009

    • 著者名/発表者名
      内橋隆行
    • 雑誌名

      口腔組織培養学会誌 18巻2号

      ページ: 22-36

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of Inorganic Polyphosphate on Chondrogenic Precursor Cell Line ATDC52009

    • 著者名/発表者名
      高田匡基
    • 学会等名
      第87回国際歯科学研究会議(IADR)2009
    • 発表場所
      Miami, Florida USA
    • 年月日
      2009-04-17
  • [学会発表] ポリリン酸は軟骨前駆細胞の分化を促進する2009

    • 著者名/発表者名
      高田匡基
    • 学会等名
      第63回 日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      静岡県浜松市
    • 年月日
      2009-04-02

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi