エストロゲンなどの性ホルモンの変化により生じた痛みにATPは関与するのか検討した。 ラットにカラゲニンを注入による行動学的な検討では、卵巣を摘出した後にエストロゲンを補充した際に痛み関連行動が増加、侵害受容ニューロンの反応性(閾値や受容野)は高まる傾向にはあった。しかし、髄腔内にP2X受容体のアンタゴニストであるPPADSを投与したところ、侵害受容ニューロンの活動は変化が認められなかった。 以上のことから、エストロゲンを補充したラットで認められる痛みの増加とATP受容体には関連性が低い可能性が示唆された。
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