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2010 年度 実績報告書

頭頚部癌へのBNCTにトランスフェリン結合型硼素化合物運搬体を応用した基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 21792042
研究機関大阪医科大学

研究代表者

伊藤 雄一  大阪医科大学, 医学部, 助教 (10530701)

キーワードホウ素中性子補足療法 / BSH / BNCT / 口腔悪性腫瘍
研究概要

ホウ素中性子補足療法(Boron Neutron Capture Therapy : BNCT)はホウ素化合物が集積した腫瘍細胞に中性子を照射することで腫瘍細胞を破壊する治療方法である。現在使用されているホウ素化合物のBorocaptate(BSH)は能動的に腫瘍細胞に集積する性質がないため、腫瘍細胞に高濃度のホウ素化合物を送達できるDDSが期待されており、Liposomeを用いた研究が多施設で行われている。今回われわれはLiposomeにTransferrinを修飾し、腫瘍細胞で過剰発現しているTransferrin receptorをターゲットとしたDDSを使用して、京都大学原子炉実験所にて実際に中性子を照射し、腫瘍殺効果について検討を行った。
1.腫瘍細胞を無血清培地で培養し、Bare-BSH, PEG-Liposomal BSH, TF-PEG-Liposomal BSHを使用した群に分けた。各々50PPMのホウ素濃度になるように培地を作成し、各群6時間細胞に暴露させ、6時間後に培地を除去。ホウ素を50PPM含む培地、もしくはホウ素を含まない培地に細胞を1×10^5個/mLに希釈し、テフロンチューブに移し照射のサンプルとした。中性子をあらかじめ設定した時間照射。中性子照射後、細胞を200個/シャーレに調整し7日間培養しcolony formation assayを行った。結果、中性子照射時にホウ素を含む培地を使用した場合いずれの群でも腫瘍殺効果が得られたが、照射時にホウ素を含まない場合にはTF-PEG-Liposomal BSHについてのみ強い腫瘍殺効果が得られた。
2、口腔扁平上皮癌細胞の担癌マウスを作製し、尾静脈より各種修飾をしたホウ素化合物を静注し、事前に予測された血中有効濃度の時に中性子を照射、その後腫瘍サイズの計測を行いBNCT効果について検討を行った。結果、TF-PEG-Liposomal BSHを使用した群では腫瘍サイズの著明な現症を認めた。
これらのことから、TF-PEG-LiposomeをDDSとして使用することによりBNCT効果の更なる向上が図れることが示唆される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Delivery of Sodium Borocaptate (BSH) to Oral Cancer by Transferrin-PEG-Liposome, for Boron Neutron Capture Therapy(BNCT)2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro KIMURA, Yuichi ITO
    • 雑誌名

      Bulletin of the Osaka Medical College

      巻: 56(2) ページ: 65-72

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌細胞に対するホウ素運搬体を用いたBNCT効果の検討2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤雄一
    • 学会等名
      第29回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
    • 発表場所
      崇城大学市民ホール(熊本市)
    • 年月日
      20110127-20110128
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌細胞へのホウ素化合物の取り込みと細胞内局在に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤雄一
    • 学会等名
      第64回日本口腔科学会 学術集会
    • 発表場所
      札幌プリンスホテル国際館パミール(札幌)
    • 年月日
      20100624-20100625

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公開日: 2012-07-19  

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