吸啜運動時に活動する運動ニューロンを同定するために、生後1日のマウスの舌、口輪筋にFast Blueを注入した。生後3日目に固定を行い、舌下神経核、顔面神経核について切片を作成し、Fast Blueで標識されるニューロンが存在するか検索を行った。Fast Blueで標識されるニューロンは舌下神経核、顔面神経核には存在しておらず、標識の手技の再検討が必要と考えられた。また、生後間もなくのマウスの舌に標識物質を注入すると哺乳動作が困難になる事が観察されたため、生存中の仔マウスに神経標識物質を注入することは不適切と判断した。そこで、postmortalの神経標識物質であるDiI、DiOを使用することにした。生後3日のマウスを固定した後、DiI、DiOを舌、口輪筋、咬筋に注入し、舌下神経核、顔面神経核、三叉神経核において標識されるニューロンが存在するか現在検討中である。また活動しているニューロンのマーカーとして使用するc-fosの抗体については何種類かの抗体を検討し、適切な抗体を選択できた。また、吸啜運動時に活動する運動ニューロンのpremotor neuronを同定するために、生後3日のマウスを固定、抜脳した後、三叉神経核、舌下神経核にDiI、DiOを注入した。脳幹部でDiI、DiOにて標識されるニューロンが存在するか検索を行っているが、現在のところは三叉神経核、舌下神経核へ安定してDiI、DiOを注入できる条件を検討中である。神経標識物質の注入を行うにはマウスの小ささは不利なため、ラットを使用する事も検討している。
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