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2010 年度 実績報告書

骨形成因子による象牙芽細胞分化メカニズムの解明と再生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21792053
研究機関東北大学

研究代表者

丸谷 由里子  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60400389)

キーワードGDF-5 / 歯髄幹細胞 / 歯の再生
研究概要

Growth/differentiation factor-5(GDF-5)はTGF-βスーパーファミリーに属し、軟骨・骨形成を促進することが報告されている。また、口腔領域にも発現し、歯胚の形成に関与すると考えられている。しかし、歯の発生に関するGDF-5の研究は少なく、GDF-5の歯髄細胞に対する作用は不明である。
我々は、幼若歯髄細胞にGDF-5加えると象牙芽細胞分化マーカーの発現が上昇することを示したが、歯髄細胞には、多分化能を有した幹細胞は1%以下しか存在しないため、象牙芽細胞分化誘導を生化学的に評価するには不十分だった。そこで、本研究課題においては株化に成功したマウス歯髄由来幹細胞を用いることにより、歯髄幹細胞に対するGDF-5の影響を、象牙芽細胞への分化能に着目して検討した。
歯髄幹細胞にGDF-5を添加し、培養した群のDSPPの遺伝子発現は、GDF-5非添加群に比較し有意な上昇が認められた。また、BSPの遺伝子発現は培養48時間後においてGDF-5添加群で上昇し、ALPでは、培養24時間後、48時間後いずれにおいてもGDF-5添加による遺伝子発現の有意な変化は見られなかった。
GDF-5は、象牙芽細胞マーカーであるDSPP遺伝子の著しい発現上昇を誘導したことから、本分子は歯髄幹細胞を象牙芽細胞へ直接分化促進する作用を持つことが明らかとなった。BSPおよびALPは石灰化に関する遺伝子であることから、さらに分化が進んだ段階で遺伝子発現に差が現れるものと考えられた。多くのTGF-βファミリー分子は、骨基質やALPの発現を早期に調節するものが多く、DSPPのみを発現誘導するものはほとんどない。このことから、幹細胞を骨芽細胞でなく象牙芽細胞に分化誘導させる為にGDF-5は重要な役割を演じている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] HEMA非含有ワンステップボンディング材の臨床成績2010

    • 著者名/発表者名
      丸谷由里子
    • 学会等名
      日本小児歯科学会秋季大会
    • 発表場所
      郡山
    • 年月日
      2010-12-02
  • [学会発表] Clinical Evaluation of One-step Adhesive System2010

    • 著者名/発表者名
      Yuriko Maruya
    • 学会等名
      IADR
    • 発表場所
      スペイン、バルセロナ
    • 年月日
      2010-07-16

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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