研究概要 |
本研究は、siRNAを用いた遺伝子ノックダウン技術により骨形成シグナルを抑制することで、骨再生を誘導することを目標とし、再生に最適なsiRNAの組合せの決定と安全で効率的なナノ送達システムを確立し、siRNA核酸医薬を用いた臨床応用の基盤を構築することを目的としている。平成21年度は、遺伝子改変マウスの表現系やヒトにおける疾患の原因遺伝子に関する報告、さらにはわれわれの研究室における先行文献を参考に、骨芽分化を制御するシグナル経路のうち、特に重要なシグナルとして知られているBMP・Runx2・Wnt・Hedgehogシグナルに対する抑制因子に着目し(FASEB J.21, 1-21, 2007 ; J.Biol.Chem.281, 1381-88, 2006 ; J.Biol.Chem.281, 3569-3576, 2006)、siRNAライブラリーの構築を行っている。具体的には下記の遺伝子に対する(1)~(4)のsiRNAの作製を試みている。 (1)Noggin, Smurf1, Smad6, Tob, SOST(BMP signalに対する抑制因子) (2)Stat1, Twist1, Twist2(Runx2 signalに対する抑制因子) (3)Ptch1, Gli3(Hedgehog signalに対する抑制因子) (4)GSK3b(Wnt signalに対する抑制因子) 作製したsiRNAは、その発現抑制効果をReal-time PCRおよびWestern blottingによりmRNAおよびタンパク発現レベルで確認を行ってライブラリーを構築する。
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