研究概要 |
骨軟骨再生に有効なsiRNAの網羅的検索 申請者らが開発したCol1-GFPシステムおよびCol2-DsRedシステムを用いて、昨年度構築したsiRNAライブラリー(下記)の網羅的な解析を行う。骨芽細胞分化をGFPの蛍光発色および軟骨細胞分化をDsRedの蛍光発色を指標に判断し、分化を誘導するsiRNAの組合せを検索した。 (1)Noggin, Smurf1, Smad6, Tob, SOST(BMP signalに対する抑制因子) (2)Stat1, Twist1, Twist2(Runx2 signalに対する抑制因子) (3)Ptch1, Gli3 (Hedgehog signalに対する抑制因子) (4)GSK3b(Wnt signalに対する抑制因子) siRNAとナノ送達システムによる骨軟骨再生効果のin vivoにおける検証 最適なsiRNAの組合せとsiRNAナノ送達システムを組み合わせて、in vivoにおける骨軟骨再生効果を検証する。骨再生においては、人工骨材料であるリン酸カルシウム担体に、軟骨再生においてはアテロコラーゲンゲルにsiRNA+PEG-DET複合体を混合する。近交系であるC57BL/6マウスの頭蓋骨に作製した臨界骨欠損(直径5mm、トレパンにて作成)もしくは膝関節軟骨部分欠損モデルに埋植し、その骨・軟骨誘導性、生体親和性、免疫反応を評価する。現在、HE染色、von Kossa染色、アルシアンブルー染色や、I型コラーゲン・II型コラーゲンに対する免疫染色、in situ hybridization法による骨芽細胞・軟骨細胞分化マーカー遺伝子の発現解析により、再生骨・軟骨組織を量的な面のみならず、質的にも検討している。
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