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2009 年度 実績報告書

繊維芽細胞増殖因子の発現を介した血小板由来増殖因子による唾液腺形態形成の制御

研究課題

研究課題/領域番号 21792089
研究機関鹿児島大学

研究代表者

山本 晋也  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90514729)

キーワードPDGF / マウス顎下腺 / 分岐形態形成 / 細胞増殖
研究概要

PDGFが唾液腺の発達過程において役割を果たしているかどうかを解析するために、我々は最初にPDGFとその結合受容体であるPDGFαRおよびPDGFβRの発現を免疫染色法を用いて検討した。その結果、PDGF-Aは主に上皮、PDGF-BとPDGFαR、βRは間葉に発現を認めた。次に、PDGF刺激を行うことでマウス顎下腺細胞の細胞内にシグナル伝達が起こるかどうか検討するために、PDGF-AAあるいはPDGF-BBの刺激を加え、刺激後0分から60分までのERK1/2リン酸化をウエスタンブロッティング法にて解析した。PDGF-AA刺激では、刺激5分後にERK1/2リン酸化のピークをむかえ、時間の経過とともにリン酸化の程度は減少した。一方PDGF-BB刺激では、刺激5分後と60分後にERK1/2リン酸化のピークをむかえる二峰性の活性化パターンを認めた。さらに、これらPDGFによるシグナル伝達が、上皮あるいは間葉のいずれかで行なわれているかを確認するために、上皮細胞および間葉細胞にそれぞれPDGF-AAあるいはPDGF-BB刺激を行なった。PDGF-AAおよびPDGF-BB刺激ともに、間葉組織でのERK1/2リン酸化が検出され、上皮では認められなかった。また、無刺激の場合はERK1/2リン酸化を認めなかった。これらの結果は、PDGF受容体が局在する間葉組織において、PDGFシグナル伝達が行なわれていることを示している。さらに、PDGFで促進される分岐形態形成が細胞増殖によるものかどうかを検証するために、BrdU取り込み実験を行い、細胞増殖能の検討を行なった。上皮細胞の細胞増殖は、対照群と比較して、PDGF-AAで刺激した場合では約1.6倍、PDGF-BBで刺激した場合では約2.1倍増加した。これらの結果から、上皮細胞の細胞増殖を強く促進し、分岐形態形成を誘導したと推測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] PDGFs regulate tooth germ proliferation and ameloblast differentiation

    • 著者名/発表者名
      Nan Wu, Shinya yamamoto, 他8名
    • 雑誌名

      Archives of Oral Biology (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] PDGF regulates salivary gland morphogenesis via FGF expression.2009

    • 著者名/発表者名
      Shinya Yamamoto
    • 学会等名
      the IADR/AADR/CADR 87^<th> General Session and Exhibition
    • 発表場所
      Miami, Florida
    • 年月日
      20090401-20090404
  • [学会発表] 片側性唇顎口蓋裂児に対するHotz型人工口蓋床の治療効果2009

    • 著者名/発表者名
      山本晋也
    • 学会等名
      第47回日本小児歯科学会大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-05-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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