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2010 年度 実績報告書

繊維芽細胞増殖因子の発現を介した血小板由来増殖因子による唾液腺形態形成の制御

研究課題

研究課題/領域番号 21792089
研究機関鹿児島大学

研究代表者

山本 晋也  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90514729)

キーワード発生・分化 / 器官培養 / マウス顎下腺 / 増殖因子 / シグナル伝達
研究概要

唾液腺の形態発生は、胎生期における上皮細胞と神経堤由来の細胞集団との相互作用によってその形態を構築する。血小板由来増殖因子(PDGF)は、平滑筋細胞、繊維芽細胞、グリア細胞のマイトジェンとして同定され、様々な組織において上皮澗葉相互作用を制御するパラクラインの増殖因子として知られている。PDGFは胎生初期の肺、腎臓、精巣など唾液腺の発生過程と類似した器官において、その形態形成に重要な役割を果たしている。この発生過程の類似性を考慮すると、PDGFが唾液腺の発生においても重要な役割を果たしていることが予想されることから、マウス顎下腺の器官培養システムを用いて顎下腺の形態形成におけるPDGFの機能解析を行うことを目的とした。
マウス顎下腺ではPDGF-Aは主に上皮に発現し、PDGF-Bは間葉に発現する。PDGFの受容体であるPDGFα受容体とPDGFβ受容体は、ともに間葉に発現しPDGFの結合によりそのシグナルを細胞内に伝達する。マウス顎下腺の器官培養において、PDGF-AAあるいはPDGF-BBを添加すると、その受容体は間葉に存在しているのにも関わらず、唾液腺組織の上皮細胞増殖が亢進し、分岐形態形成が促進された。対照的に、PDGF-A及びBsiRNAを用いてPDGFmRNA発現の抑制を行なった場合、上皮組織での細胞増殖が抑えられ分岐形態形成が減少した。また抗PDGF-AB及びBB抗体を用いてもPDGF機能の抑制を行なった場合も同様の結果が得られた。一方、PDGF-AAはFGF3とFGF7の発現を誘導し、PDGF-BBはFGF1、FGF3、FGF7及びFGF10の発現を誘導した。しかしPDGF-A及びBsiRNAはFGF3、FGF7、FGFloの発現を抑制した。この結果は、PDGFが顎下腺間葉におけるFGFの発現を制御していることを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 口蓋床を用いた口唇顎口蓋裂児の早期治療作業模型の製作方法の違いによる上顎形態に及ぼす治療効果2010

    • 著者名/発表者名
      落合聡, 山田千晶, 森下格, 雑賀厚臣, 長谷川大子, 山本晋也, 齊藤一誠, 早崎治明, 山崎要一
    • 学会等名
      日本口蓋裂学会
    • 発表場所
      東京都北区
    • 年月日
      20100527-20100528
  • [学会発表] 先天異常児の親の再度の妊娠に関する問題臨床経験とアンケート調査からの考察2010

    • 著者名/発表者名
      山本晋也, 武田康男
    • 学会等名
      小児歯科学会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20100519-20100520
  • [備考]

    • URL

      http://www.hal.kagoshima-u.ac.jp/dental/Pedo/index.htm

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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