研究概要 |
平成21年度は,子どもの精神性歯ぎしりの機能を解明するための実験サンプリングを行い,また,研究打合せを通して解析・発表に関する有益な示唆を受けた。実験は,5-8歳の小児を対象として,保護者の同意と協力を得て,実験室ではなく在宅で行った。急性のストレス事態として,就寝直前に20分程度の心理課題を行った。実験の前後2週間程度,生活習慣の統制のため活動量計を装着させ,日誌をつけさせた。すべての実験は,保護者に対し,調査の必要性と目的に関する説明を果たした上で,書面での同意を得た。 本年度は,夜間の自律神経系活動について,就寝前にストレス課題を負荷した場合に,心拍数の上昇や交感神経系活動の高まりが観察され,睡眠の質を明らかに悪化させていることが示された。このことは,実験の操作が意図通りに行われたことを示している。この成果については,データ数も十分に蓄積されてきたので,随時国内・国外での学会発表を行ってきており,論文発表の準備も進めている。一方で,就寝前の課題の影響が,歯ぎしりに費やす時間が増えることや,睡眠構造そのものにも及んでいることも徐々に示唆されつつある。こちらの成果についても,データ解析とサンプル数が十分に蓄積次第,発表・報告していく予定である。
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