研究課題
歯の先天欠如はヒトの歯の発育異常のうち最も一般的なものの一つであり、歯列や咬合の異常を引き起こす原因の一つとされている。歯の発生に関する遺伝子については多く報告されているが、歯の先天欠如のメカニズムについての詳細は明らかにされていない。本研究の最終目的は、第三臼歯が先天的に欠如しているELマウスを用いて、第三臼歯先天欠如の主要な原因遺伝子を同定し、さらに、single-nucleotide polymorphisms(SNPs)を用いた歯の先天欠如の遺伝子リスク診断を行うための基礎的なデータを得ることである。本年度は、第三臼歯先天欠如の主要な原因遺伝子が存在している可能性が高い領域であるam3領域に存在する既知の候補遺伝子(Lef1、Egf)およびam3領域以外で歯の発生に関する既知の遺伝子(Shh、Pitx2、Bmp2、Bmp4、Msx1、Msx2、Pax9、Gli1、Gli2、Fgf4など)について、EL/KWLマウスとELとで、RNA発現量の変化を明らかにすることを目的とした。これまでのところ、5、7、10日齢のEL/KWLマウスおよびELマウスを各10匹づつ安楽死させ、下顎骨を摘出し、実体顕微鏡を用いて第三臼歯相当部の組織を取り出し、totalRNAを分離、精製した。そして、Real-timePCR法を用いて、am3領域に存在する既知の候補遺伝子Lef1、Egfおよびam3領域以外で歯の発生に関する既知の遺伝子(Shh、Pitx2、Bmp2、Bmp4)のRNA量を測定し、EL/KWLとELマウスとで比較検討を行った。
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Pediatric Dental Journal 20巻(In press)