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2010 年度 実績報告書

P. gingivalisによるDC-SIGNを介したTh1応答のエスケープ機構

研究課題

研究課題/領域番号 21792108
研究機関東北大学

研究代表者

多田 浩之  東北大学, 病院, 医員 (70431632)

キーワード免疫学 / 樹状細胞 / 細胞・組織 / サイトカイン / DC-SIGN
研究概要

前年度の研究成果より、細菌の細胞壁に含まれる成分であるペプチドグリカンの活性中心構造であるiE-DAPは、樹状細胞(DC)に発現するnucleotide-binding oligomerization domain 1 (Nod1)を介して認識されることにより、クロスプライミングの誘導が増強されることが明らかとなった(J. Immunol., 184:736-745, 2010)。本年度は同知見を踏まえて、歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalisおよびその細胞壁に含まれる成分であるfimbriaeおよびリポペプチドを用いて、DCによるクロスプライミング誘導に対する影響について検討した。その結果、DCをP. gingivalis加熱死菌,fimbriae, もしくはリポペプチドにて刺激すると、共刺激分子であるCD40およびCD86の発現が著明に上昇した。さらに、DCをP. gingivalisにて刺激すると、卵白アルブミン(OVA)により誘導されるクロスプレゼンテーションが増強された。ナイーブCD8^+T細胞にクロスプライミングを誘導するには、共刺激分子およびクロスプレゼンテーションの誘導が共に増強される必要があることから、同知見からP. gingivalisによりDCを介したクロスプライミングの誘導が増強されることが示唆された。
また、自然免疫応答の誘導に関わるToll-like receptorリガンドを介した炎症性サイトカインの生産におけるP. gingivalisの影響について検討した。その結果、P. gingivalisの刺激により細菌細胞壁成分であるリポポリサッカライド(LPS)によりDCから生産されるinterleukin-10は、相乗的に増強された。しかしながら、LPSによるDCからのIL-6生産は、P. gingivalisの刺激による影響を受けなかったことから、P. gingivalisによりTh1応答の誘導が抑制されることにより、歯周炎に特徴的な慢性炎症を反映することが考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phosphate increases bone morphogenetic protein-2 expression through cAMP-dependent protein kinase and ERK1/2 pathways in human dental pulp cells2011

    • 著者名/発表者名
      Tada, H.
    • 雑誌名

      Bone

      巻: (印刷中 未定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞外リン酸はPitおよびERK1/2を介してヒト歯髄細胞からBMP-2を誘導する2010

    • 著者名/発表者名
      多田浩之
    • 学会等名
      第132回日本歯科保存学会春季学術大会
    • 発表場所
      熊本県熊本市
    • 年月日
      2010-06-04

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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