• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

新規T細胞サブセットTh17を基盤とした歯周炎病態メカニズムの再構築

研究課題

研究課題/領域番号 21792116
研究機関新潟大学

研究代表者

奥井 隆文  新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (10509540)

キーワードTh17 / IL-17 / 制御性T細胞 / FOXP3 / RANKL
研究概要

本研究の目的は、新規T細胞サブセットであるIL-17高産生のTh17に注目し、歯周炎組織における浸潤と局在を解析するとともに、歯周炎組織から作製したT細胞ラインのフェノタイプ解析を行うことにより、歯周炎の免疫応答メカニズムをTh17の概念を入れて再構築することである。平成21年度においでは、慢性歯周炎患者の末梢血および歯周炎組織から各8つのCD4^+T細胞ラインを作製し、Th17や他のT細胞サブセットに関連する分子の発現解析を行い、その比較を行った。結果、末梢血由来T細胞ラインに比較して歯肉組織由来T細胞ラインでは、IL-4(Th2マーカー)とFOXP3(制御性T細胞マーカー)の有意な発現率減少と、IL-17A(Th17マーカー)の有意な発現率上昇が認められた。最近の研究において、Th17と制御性T細胞の中間のフェノタイプを有するIL-17^+FOXP3^+T細胞が存在すること、この2つのT細胞サブセットは相互に可塑性を有することが示唆されている。その生物学的意義は十分に明らかになっていないが、生体の恒常性維持や感染時の防御システムに関与していることが示されている。今回の我々の研究結果から、歯周炎組織においてはFOXP3^+制御性T細胞がTh17に転換していることが示唆され、歯周炎病態の解明に寄与することが期待できる。また、骨破壊に重要なRANKLに関しては歯周炎組織由来T細胞ラインでむしろ有意に減少していたことより、T細胞自体のRANKL発現による直接的な骨破壊への関与は低いことが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Periodontitis-associated up-regulation of systemic inflammatory mediator level may increase the risk of coronary heart disease.2010

    • 著者名/発表者名
      Nakajima T, Okui T, et al.
    • 雑誌名

      J Periodont Res 46

      ページ: 116-122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Porphyromonas gingivalis Antigens and Interleukin-6 Stimulate the Production of Monocyte Chemoattractant Protein-1 via the Upregulation of Early Growth Response-1 Transcription in Human Coronary Artery Endothelial Cells.2009

    • 著者名/発表者名
      Maekawa T, Okui T, et al.
    • 雑誌名

      J Vasc Res 47

      ページ: 346-354

    • 査読あり
  • [学会発表] 歯周炎患者におけるPorphyromonas gingivalisに対する抗体価と高感度CRPの関連性2009

    • 著者名/発表者名
      宮下博考, 奥井隆文, ら
    • 学会等名
      第52回秋季歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      宮崎市
    • 年月日
      2009-10-11

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi