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2009 年度 実績報告書

歯周炎におけるTh17細胞の浸潤・活性化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21792123
研究機関徳島大学

研究代表者

細川 義隆  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90346601)

キーワード歯周炎 / Th17細胞 / CCL20 / 歯肉線維芽細胞 / カテキン
研究概要

歯周炎はプラーク中に含まれる歯周病原性細菌により惹起される慢性炎症性疾患でT細胞などの免疫担当細胞と線維芽細胞との複雑な相互作用によって病変が形成されていることが報告されている。T細胞の中でもTh17細胞は歯槽骨吸収を引き起こすことにより歯周炎の病態に積極的に関与している事が報告されている。ケモカインはサイトカインの一種であり、炎症性細胞などの遊走・浸潤に関与していることが報告されている。その中の一つCCL20はTh17細胞の遊走に関与していることが報告されているが、歯周炎での役割についてはほとんど明らかとなっていない。本研究ではCCL20に着目し、歯周組織の主な構成細胞の一つであるヒト歯肉線維芽細胞(HGF)のCCL20産生に対する解析を行った。また、抗炎症効果が報告されているカテキンにも着目し、CCL20産生に対するカテキンの影響も確認した。
HGFはIL-17A刺激によりCCL20産生が誘導された。また、カテキンの主な成分であるEGCGならびにECGはIL-17Aが誘導したHGFからのCCL20産生を抑制した。この抑制効果にはp38 MAPKならびにERKを介したシグナル伝達経路の抑制、ならびにIL-17 receptorの発現を減少させることも明らかとした。
これらの結果より、HGFのCCL20産生はTh17細胞が産生するIL-17Aにより増強され、HGFが産生するCCL20が歯周炎病変局所へのTh17細胞の浸潤ならびに集積に関与している事が示唆された。また、緑茶成分であるカテキンがHGFのCCL20産生を抑制することより、緑茶カテキンを歯周炎治療に用いることが出来る可能性も示された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] TNFSF14 coordinately enhances CXCL10 and CXCL11 productions from IFN-gamma-stimulated human gingival fibroblasts2010

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa Y, et al.
    • 雑誌名

      Molecular Immunology 47

      ページ: 666-670

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cytokines differentially regulate CXCL10 production by interferon-gamma-stimulated or tumor necrosis factor alpha-stimulated human gingival fibroblasts2009

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa Y, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Periodontal Research 44

      ページ: 225-231

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Human gingival fibroblasts express functional chemokine receptor CXCR6.2009

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa Y, et al.
    • 雑誌名

      Clinical and Experimental Immunology 156

      ページ: 413-418

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Catechins inhibit CCL20 production from IL-17A-stimulated human gingival fibroblasts.2009

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa Y, et al.
    • 雑誌名

      Cellular Physiology and Biochemistry 24

      ページ: 391-396

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Catechins inhibit CXCL10 production from oncostatin M-stimulated human gingival fibroblasts.

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa Y, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Nutritional Biochemistry (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] CatechinがIL-17A刺激ヒト歯肉線維芽細胞のCCL20産生に与える影響2009

    • 著者名/発表者名
      細川義隆, 他
    • 学会等名
      第131回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      仙台国際センター(仙台)
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] Adrenomedullinが樹状細胞のTh17関連サイトカイン産生に及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      細川育子, 他
    • 学会等名
      第131回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      仙台国際センター(仙台)
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] Oncostatin MとIL-1betaは相乗的にヒト歯肉線維芽細胞のケモカイン産生ならびに接着分子発現を誘導する2009

    • 著者名/発表者名
      細川義隆, 他
    • 学会等名
      第130回日本歯科保存学会春季学術大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌)
    • 年月日
      2009-06-11
  • [学会発表] NOD1アゴニストがヒト歯肉線維芽細胞のサイトカインわよび接着分子発現を誘導する2009

    • 著者名/発表者名
      細川育子, 他
    • 学会等名
      第130回日本歯科保存学会春季学術大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌)
    • 年月日
      2009-06-11
  • [学会発表] Oncostatin Mが誘導するヒト歯肉線維芽細胞のCXCL10産生に及ぼすカテキンの影響2009

    • 著者名/発表者名
      細川義隆, 他
    • 学会等名
      第52回春季日本歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山)
    • 年月日
      2009-05-15
  • [学会発表] ヒト歯肉線維芽細胞のCXCL10産生に及ぼすAdrenomedullinのcell signahngに対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      細川育子, 他
    • 学会等名
      第52回春季日本歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山)
    • 年月日
      2009-05-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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