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2010 年度 実績報告書

新規アメロジェニン会合分子を標的とした歯周組織再生療法の発明

研究課題

研究課題/領域番号 21792124
研究機関九州大学

研究代表者

福田 隆男  九州大学, 大学病院, 医員 (80507781)

キーワードアメロジェニン / 歯周組織 / 再生医学 / 歯学
研究概要

歯周病患者の破壊された組織の再生にエナメル基質タンパク質(EMD)が用いられているが、その作用機序についてシグナル伝達分子レベルでの統一的な見解は得られていない。そこで、本研究ではEMDの90%以上を占める主要成分であるアメロジェニンに注目し、その新規結合タンパク質の解析により歯周組織再生機序の検討を行うため、アメロジェニン会合タンパク質を検出するプロテオーム解析を行った。申請者はまず、GST融合アメロジェニンを作成し、歯周組織を構成する各種細胞抽出液を用いたGST Pull down assayを行った。SDS-PAGEからの銀染色におけるスクリーニングの段階で、各細胞とも約20kDaの位置にアメロジェニンとの結合タンパクとともに細胞特異的な分子量の結合タンパクのバンドを確認した。さらに骨芽細胞(SaOs-2)における結合タンパクの分布について検討した結果、膜分画にも複数存在していることを確認した。同時に、申請者は新規アメロジェニン結合蛋白としてヒトY-Box蛋白であるYB-1を同定した。骨芽細胞(SaOS-2)を用いて細胞増殖について検討したところ、YB-1蛋白のknock downにより細胞増殖が抑制されるが、アメロジェニン刺激により細胞増殖が回復することが確認された。
次に申請者は骨芽細胞におけるGST融合アメロジェニンへの新規結合蛋白を2次元電気泳動で展開し、質量分析による結合蛋白の同定を行った。その結果、アメロジェニン会合分子の候補として細胞骨格系の蛋白が複数同定された。このことから、アメロジェニンが細胞骨格に会合することで歯周組織再生における骨形成に関与する可能性が示唆された。
以上の研究結果より、アメロジェニンとその会合蛋白の組換え蛋白を原料とした、歯周組織再生のシグナルをより効果的に誘導する安全性の高い次世代の分子標的再生療法の開発につながると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Characterization of the amelogenin binding proteins2010

    • 著者名/発表者名
      福田隆男
    • 学会等名
      第96回アメリカ歯周病学会(AAP)共催日本歯周病学会(JSP)2010年大会
    • 発表場所
      Hawaii Convention Center, USA
    • 年月日
      2010-11-01
  • [学会発表] YB-1 is important for amelogenin induced periodontal regeneration2010

    • 著者名/発表者名
      福田隆男
    • 学会等名
      第88回 IADR(第88回国際歯科研究学会)
    • 発表場所
      Centre Conventions Internacional Barcelona, Spain
    • 年月日
      2010-07-15
  • [備考]

    • URL

      http://www.dent.kyushu-u.ac.jp/perio/research.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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