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2009 年度 実績報告書

生理活性リゾリン脂質の骨・歯周組織に対する影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21792128
研究機関昭和大学

研究代表者

臼井 通彦  昭和大学, 歯学部, 助教 (10453630)

キーワードLysophsphatidic Acid / 骨代謝 / 歯周組織
研究概要

リゾリン脂質LPAが破骨細胞前駆細胞株Raw264.7の細胞増殖、並びに破骨細胞形成に与える影響を検討した。Raw264.7細胞からRNAを抽出し、RT-PCR法にてLPA受容体・LPA1,2,3,4の発現の有無を調べたところ、LPA1の発現のみを確認することができた。次に、LPAの細胞増殖に対する影響を評価するために、MTT assayを行ったが、LPA刺激による細胞増殖には有意な差を認めなかった。次に破骨細胞形成に対するLPAの影響を観察した。LPAは培養5日目、7日目では破骨細胞数に影響を与えなかったが、培養9日目においてLPA存在下の破骨細胞数は対象群と比較して有意に増加した。また、この破骨細胞数の増加はLPA受容体アンタゴニストKi16425により阻害された。このことから、LPAは破骨細胞の生存・apoptosisに関与している可能性が示唆された。次にリゾリン脂質LPAが歯肉上皮細胞株Ca9-22に与える影響を検討した。Ca9-22細胞からRNAを抽出し、RT-PCR法にてLPA受容体・LPA1,2,3,4の発現の有無を調べたところ、LPA1,3の発現を確認することができた。次に、LPAの細胞増殖に対する影響を評価するために、MTT assayを行った。その結果、LPA刺激により、細胞増殖が有意に亢進された。また、LPAの刺激により炎症性サイトカインの産生に変化がおきるか観察した。LPA刺激24時間後にRNAを回収し、炎症性サイトカインのmRNA発現を観察した結果、IL-6・IL-8の発現が増強していた。さらに、ELISA法を用いて上清中のIL-6並びにIL-8量を測定したところ、LPA刺激によりIL-6・IL-8がタンパク質レベルにおいても有意に増強していることが明らかになった。最後に、破骨細胞形成に必須な因子、RANKLのmRNA発現を確認したところ、LPAによりその発現が有意に増強された。以上の結果より、LPAは歯周組織において様々な生理活性を及ぼす可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] リゾリン脂質・LPA(lysophosphatidic acid)の破骨細胞前駆細胞株Raw264.7に対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      臼井通彦, 宮園あがさ, 山本松男
    • 雑誌名

      口腔組織培養学会誌 19

      ページ: 49-50

  • [学会発表] LPA(lysophosphatidic acid)は破骨細胞のapoptosisを抑制する。2010

    • 著者名/発表者名
      臼井通彦、宮園あがさ、府川有紀子、林幸恵、山本松男
    • 学会等名
      昭和大学口腔癌包括的研究センター公開シンポジウム
    • 発表場所
      昭和大学
    • 年月日
      2010-03-13
  • [学会発表] リゾリン脂質・LPA(lysophosphatidic acid)の破骨細胞前駆細胞株Raw264.7に対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      臼井通彦、宮園あがさ、山本松男
    • 学会等名
      第46回日本口腔組織培養学会
    • 発表場所
      昭和大学上條講堂
    • 年月日
      2009-12-05
  • [学会発表] LPA(lysophosphatidic acid)の歯肉扁平上皮癌細胞株Ca9-22に対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      臼井通彦、宮園あがさ、府川有紀子、林幸恵、山本松男
    • 学会等名
      第27回日本骨代謝学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2009-07-27
  • [学会発表] リゾリン脂質OLPA(lysophosphatidic acid)の歯肉上皮細胞に対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      臼井通彦、宮園あがさ、山本松男
    • 学会等名
      第130回日本歯科保存学会春季学術大会
    • 発表場所
      札幌国際会議場
    • 年月日
      2009-06-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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