研究概要 |
LPA(Lysophosphatidic Acid)は様々な生理活性をもつことが知られている。今回、我々は、歯周組織を構成する歯肉上皮細胞と破骨細胞に対する影響を検討した。歯肉上皮細胞において、LPAは細胞増殖を亢進し、IL-6,IL-8といった炎症性サイトカインの産生を増強した。また、破骨細胞形成に必須であるRANKLの産生も増強した。一方、破骨細胞前駆細胞において、LPAはその細胞増殖に影響を与えなかったが、RANKLによる破骨細胞形成数を増強した。そのメカニズムを検討した所、LPAはCaspase3の活性化を抑制することにより、apoptosisを低下させ、破骨細胞数が増強していることが明らかとなった。以上の結果より、LPAは歯周組織において、組織破壊を促進する可能性が示唆された。
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