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2010 年度 実績報告書

歯周病における酪酸の歯肉線維芽細胞を介したT細胞機能障害の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 21792131
研究機関日本大学

研究代表者

山田 潔  日本大学, 歯学部, 助教 (30313076)

キーワード歯肉線維芽細胞 / 歯周病原性細菌 / 短鎖脂肪酸 / 酪酸 / T細胞 / 抗原提示細胞 / 細胞死 / サイトカイン産生
研究概要

本研究では、歯周病原性細菌が産生する短鎖脂肪酸の一つである酪酸に対するT細胞応答に歯肉線維芽細胞(GF)がどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的としている。今年度は、1)酪酸が誘導するT細胞の細胞死に及ぼすGFの影響、2)酪酸がヘルパーT細胞のサイトカイン産生に及ぼす影響について検討した。
Jurkat T細胞の酪酸依存的な細胞死は正常歯肉線維芽細胞(HGF)との付着によって抑制されるが、酪酸感受性の高い歯周炎患者由来線維芽細胞(IGF)では抑制されないことが示唆された。また、IGFではHGFに比べて、酪酸処理Jurkat T細胞の付着率が低く、付着したT細胞のアポトーシス抑制作用も低かった。この細胞死抑制効果の違いは、細胞外マトリクスやサイトカインの発現差を反映していることが示唆された。
マウス脾臓細胞からin vitroで分化誘導して得られたTh1、Th2およびTh17サブセットにおける酪酸依存的な細胞死と、酪酸がサイトカイン産生に及ぼす影響について検討した。各濃度の酪酸存在下、24時間、抗CD3抗体でTh1、Th2、Th17を再刺激した。Th2によるIL-4産生は1.25-5 mMの酪酸添加によって濃度依存的に強く抑制された。一方、Th1によるIFN-γとTh17によるIL-17Aの産生は2.5-5mMの高濃度において抑制されたが、1.25mMでの産生はコントロール群よりも上昇した。さらに、0.3-1.25 mMの濃度の酪酸では死細胞の割合に顕著な増加は認められなかった。一方、Th2によるIL-4産生は濃度依存的に抑制され、Th1によるIFN-γとTh17によるIL-17Aの産生は上昇した。こうした酪酸のサイトカイン産生への影響は、フローサイトメトリーによるサイトカイン産生細胞の割合、ThにおけるサイトカインmRNA発現の解析でも同様に認められた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibitory effects of a tryptamine derivative on UV-induced apoptosis in MC3T3-E1 mouse osteoblasts.2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Mikami, S.Motoki, M.Lee, K.Yamada, K.Ochiai, (他5名)
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci

      巻: 115 ページ: 214-220

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Morphine modulation of thrombospondin levels in astrocytes and its implications for neurite outgrowth and synapse formation.2010

    • 著者名/発表者名
      H.Ikeda, M.Miyatake, N.Koshikawa, K.Ochiai, K.Yamada, (他12名)
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 285 ページ: 38415-38427

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アルコール系殺菌剤の改良とその抗菌効果について2010

    • 著者名/発表者名
      田村宗明, 山田潔, 菊地邦好, 勝田公雄, 落合邦康
    • 雑誌名

      日大歯学

      巻: 84 ページ: 75-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Permeation of disaccharides derived from chondroitin sulfate through human intestinal Caco-2 cell monolayers via the paracellular pathway.2010

    • 著者名/発表者名
      M.Jin, H.Satsu, K.Yamada, (他3名)
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem

      巻: 74 ページ: 1243-1249

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Disaccharide derived from chondroitin sulfate A suppressed CpG-induced IL-6 secretion in macrophage-like J774.1 cells.2010

    • 著者名/発表者名
      M.Jin, T.Iwamoto, K.Yamada, (他3名)
    • 雑誌名

      Cytokine

      巻: 51 ページ: 53-59

    • 査読あり
  • [学会発表] 酪酸によるTh1/Th2細胞アポトーシス誘導性とサイトカイン産生への影響2010

    • 著者名/発表者名
      山田潔, 落合智子, 落合邦康
    • 学会等名
      第52回歯科基礎医学会学術大会ならびに総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都)
    • 年月日
      2010-09-22

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公開日: 2012-07-19  

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