研究概要 |
平成21年度は,平成15年度に行った調査で残存歯数が20本以上で,平成15年度に簡易型ガスクロマトグラフィを用いてVSC測定を行った100名のうち,連絡がとれた89名の中から調査参加の同意の得られた88名の自宅あるいは入所施設を訪問し,歯科検診および聞き取り調査を行った。 予備分析として,平成10年度から平成21年度まで毎年調査に参加し,88名の中から12年間毎年口腔内診査を行った52名(うち男性33名)を分析対象として選び,歯周病進行歯数(単年度毎に3mm以上の増加が認められた歯を歯周病が進行したとカウント。一度カウントした歯は棄却し,平成10年度から21年度まで積算した)と平成10年度のポータブルサルファイドモニター(Halimeter^[○!R])測定値との比較を行った。対象者の歯数は平成10年,本年度でそれぞれ26.9±2.1本,24.8±4.1本で,平均喪失歯数は2.08±3.94本であった。歯周病進行歯数は,平均13.7±6.3本で最小値は2本,最大値は29本であった。平成10年度VSC(Halimeter^[○!R]測定値)との関係を分析したところ,統計学的に有意な正の相関関係が認められた(ρ=0.364,p=0.009,Spearmanの順位相関係数)。以上より,VSCが長期的に見た歯周病の進行程度と関係があることがわかったが,次年度はさらに追跡調査を続け,簡易型ガスクロマトグラフィの結果と併せたを分析行い,個々のVSC濃度の割合と,歯周疾患親交との関係について検討を行う予定である。
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