本研究目的は2型糖尿病患者における2型糖尿病感受性遺伝子(アディポネクチン遺伝子G276T・T94G、β3アドレナリン受容体遺伝子Trp64Arg、UCP-1遺伝子A-3826G)の遺伝子多型の相違と歯周炎発症および重症度について疫学的に解明することである。本年度は最終年度として、以下を遂行した。 1、「研究対象者抽出」新潟大学医歯学総合病院糖尿病外来受診中の2型糖尿病患者のうち、内科的・歯科的基準(内科的基準:研究前3ヶ月以内は抗生物質を服用していない、歯科的基準:残存歯10本以上、研究前3ヶ月以内に歯周病治療を受けていない。)を満たす4名(男性3名、女性1名・平均年齢53.0±15.5歳)を追加。 2、「研究対象者の採血」採血(25ml)を実施(血清:アディポネクチン、レプチン、高感度CRP、TNF-α、他血液生化学一般の濃度分析を株式会社BMLに依頼。全血:アディポネクチン遺伝子G276T・T94G、β3アドレナリン受容体遺伝子Trp64Arg、UCP-1遺伝子A-3826Gの遺伝子多型の解析を株式会社サインポストに依頼)。3、「研究対象者の歯周組織診査」歯周ポケット、アタッチメントロス、BOP(1歯あたり、頬・舌側の近心、中央、遠心の6点計測)および歯の動揺度を測定。 3、「データ解析」全ての研究データを、Excelソフトのシートに集積しデータセットを作成。アディポネクチン遺伝子G276T・T94G、β3アドレナリン受容体遺伝子Trp64Arg、UCP-1遺伝子A-3826Gの遺伝子多型のタイプ別に分類し、歯周組織の状態ならびに各血清マーカー濃度について群間比較・分析を実施。 また本年度は、国際学会(第88回International Association for Dental Research General Session)で学術発表を行った。
|