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2009 年度 実績報告書

口腔乾燥症の治療を目指した唾液腺分岐促進法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21792154
研究機関東北大学

研究代表者

福本 恵美子  東北大学, 病院, 助教 (10264251)

キーワード唾液腺 / 発生 / 腺分岐
研究概要

唾液腺に関連した疾患においては、口腔内の症状として口腔乾燥を呈し、1)嚥下困難、2)う蝕や歯周病の進行助長、3)口臭の一因、4)口腔を介した感染症の誘発を引き起こす。口腔乾燥の原因は、加齢にともなった唾液腺萎縮による機能低下、薬剤による唾液の分泌低下、自己免疫疾患に関連したものなどが挙げられる。これら原因を根本的に改善するためには、機能的な唾液腺の再生や賦活化をおこなうことが有効であると考えられるが、現状では不可能といわざるを得ない。
我々は、包括的な遺伝子発現のスクリーニングを器官培養唾液腺を用いることで実施し、分岐形成に重要な因子の同定をおこなった。さらには、個々の因子について、その分子シグナルの解明を行った。
1)PDGF添加による唾液腺分形成促進メカニズムの解明
PDGF-AAおよびPDGF-BBを唾液腺の器官培養系に添加することで、その分岐を促進した。この分岐促進は,細胞間のカルシウムやIP3の輸送に係わるギャップ結合の阻害剤により完全に抑制された。これは上皮細胞におけるFGF受容体の活性化の抑制に起因することが判明した。
2)PDGFによるFGF発現制御に関わる分子シグナルの同定
PDGF刺激により、唾液腺の間葉組織におけるFGF7およびFGF10の発現が誘導され,従来から頭部神経堤細胞(唾液腺上皮の周囲に集積する)のマーカーとして同定されていたPDGF受容体を介したものであることが示唆された。次に我々は、PDGF受容体を介したシグナルの同定と、転写レベルでのFGF7およびFGF10の発現制御機構を解明するために,MAPK経路の解析を試みた。その結果,発生唾液腺へのPDGF刺激によりERK1/2のリン酸化が認められ,唾液腺分岐が促進されたことから,上皮細胞におけるMAPK経路の活性化が,唾液腺分岐に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Influences of interferon-gamma on cell proliferation and interleukin-6 production in Down syndrome derived fibroblasts2009

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto T, Yamada A, Yuasa K, Fukumoto E, Nakamura T, Fujiwara T, Fukumoto S.
    • 雑誌名

      Arch Oral Biol. 54(10)

      ページ: 963-969

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Critical role of heparin binding domains of ameloblastin for dental epithelium cell adhesion and ameloblastoma proliferation2009

    • 著者名/発表者名
      Sonoda A, Iwamoto T, Nakamura T, Fukumoto E, Yoshizaki K, Yamada A, Arakaki M, Harada H, Nonaka K, Nakamura S, Yamada Y, Fukumoto S.
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 284(40)

      ページ: 176-184

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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