本年度は、前年度から引き続きG. adiacens 49175のFn結合タンパクから、N末領域とC末端側の繰り返し領域を含む組み換えタンパクの作製を行った。 組み換えタンパクはpET-28a(+)から得られたプラスミドに発現させた。N末領域のユニーク領域の産生には、F5とR5プライマーを用いた。繰り返し領域であるC末端側の産生にはF7とF7プライマーを用いた。C末端側では、C末細胞のアンカー部にある結合領域を除いて4個の繰り返し領域を含むように設計した。 またレンサ球菌群等では複数のFn結合タンパクがあると報告されているがNVSでは報告されていない。そこで今回得られたG. adiacensのFn結合タンパク分布をGranulicatella群およびAbiotrophia defective 8菌株を用いて検討した。この検討に際してi)遺伝子のユニークなN末端側の領域を含む(F5-R5)、ii)繰り返し領域を全て含む(F6-R6)、iii)繰り返し領域の一単位の中にプライマーを設計し、複数個の繰り返し領域を増幅する(F7-R7)、3つのプライマーのセットを準備した。各菌株から全DNAを通法に基づき抽出・精製したものを鋳型として、3種をセットにしてPCRを行って遺伝子の有無を判定した。その結果、G. adiacens G40、G. adiacens HHP-1、A.defective 49176において、G. adiacens 49175で発現したFn結合タンパクの発現が認められた。
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