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2010 年度 実績報告書

食用担子菌由来口腔バイオフィルム制御因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21792165
研究機関財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

矢野 明  (財)岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 主席研究員 (50312286)

キーワードLentinula edodes / Streptococcus mutans / two-component system / glucosyltransferase / biofilm
研究概要

シイタケの子実体より、齲蝕細菌であるストレプトコッカス・ミュータンスのバイオフィルム形成阻害因子の精製作業を実施した。粗精製物の生理活性を検討したところ、グルカン合成の阻害活性、バイオフィルム形成シグナル伝達の撹乱活性が存在する事が明らかになった。細菌の支部なる伝達において主要な役割を担う二成分系がミュータンス菌では15種存在する事が報告されており、そのうちバイオフィルム形成に関連するとされるvicRK, comDE, ciaRK等の発現がシイタケ特異的に発現抑制が見られた。
バイオフィルム阻害活性を有すると想定されたタンパク質を電気泳動にて確認、分離し、アミノ酸配列を元に機能未知のcDNAの単離を行った。データベース検索の結果、相同なタンパク質は報告されておらず、阻害活性の確認のため大腸菌をはじめとする複数の宿主にてタンパク質を発現させたが、活性を有するタンパク質の生産には至らなかった。一方で、タンパク質以外の阻害活性物質の一つが、シイタケの熱水抽出多糖類であることが明らかになり、シイタケの有するアルファグルカン、およびその類似物質の関与が示唆された。
以上、研究開始当初想定されていたように、シイタケ抽出物中にはグルカン結合タンパク質、分解酵素等の単純な活性物質のみが存在しているのではなく、シグナル伝達を撹乱するなど、多様なバイオフィルム阻害活性物質が存在する事が解明されたが、個々の活性物質の構造決定には至っていない。これまで食品から報告がない、新しいタイプの阻害成分同定と解析を実現するためにはさらなる研究が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] シイタケ抽出成分によるミュータンスレンサ球菌のバイオフィルム形成阻害機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      矢野明、菊地明香、山田秀俊
    • 学会等名
      日本農芸化学会2011年度大会
    • 発表場所
      (震災のため大会要旨集発送にて大会成立)
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] The water soluble mushroom extracts perturb the biofilm formation.2010

    • 著者名/発表者名
      Yano A, Kikuchi S, Yoshida Y
    • 学会等名
      58^<th> Annual Meeting, Japanese association for Dental Research
    • 発表場所
      Kyusyu Dental College, Kitakyusyu, Japan
    • 年月日
      20101220-20101221

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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