本研究は、看護師の患者指導スキルの実態把握および、指導スキルに関する定量的評価ツール作成のための基礎資料を得ることを目的とした。看護師の指導スキルを現職小学校教員の指導スキルとの比較において分析した結果、看護師の指導では「説明」の割合が高いこと、説得効果を高めるとされる「身近な話題」「激励」が多いこと等がうかがえた。また、新規に作成した評価表を用いて4名の看護師の指導場面を評価し、評価表の信頼性を検討した結果、看護師1名を除きα係数0.91~0.94の高い信頼性が得られた。評価項目間の相関より、患者の思考を促す発問を多く取り入れたり、患者の発言を受容して指導に活かしたりすることで、患者の主体的な参加状況が高まり、教育効果が高まることが示唆された。 以上より、看護師の指導スキルの特徴および説得効果を高める指導スキルの特徴が把握できたとともに、指導スキル向上のために活用出来る新規の評価ツール作成のための基礎資料が得られた。
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