本研究の目的である、日本における患者-看護師間の対人援助関係の構築・促進・維持に関する看護技術の特徴を明らかにする第一段階として、まず、平成21年度は関連文献の収集・研究協力者とのブレインストーミング・関連学会やセミナーへの参加により基礎的な資料収集を行った。また、海外で働く日本人看護師を対象としたインタビュー調査に着手した。具体的には、オーストラリア在住でコーディネーション業務を行うことが可能な日本人看護師を通じて、日本での看護師経験を持ち、オーストラリアで看護師として働く、あるいは、オーストラリアで看護大学在学中の日本人看護師10名を対象とした個別、あるいは、グループによるインタビューを行った。インタビューは、対象者らが勤務・生活するオーストラリアのブリズベン(対象者のうち1名はゴールドコースト)で実施し、場所としては、対象者宅あるいは勤務先の病院内や図書館内のミーティングルーム等を利用した。さらに、日本に来ているインドネシア人看護師を次年度の研究対象者として募集・依頼していくための情報や方法を検討するため、厚生労働省関連の団体に確認・相談しつつ計画を立案したり、インドネシア人看護師の日本での状況を理解するための研究発表などから資料収集を行ったりした。オーストラリアでの経験をもつ日本人看護師へのインタビューは分析に着手しはじめたところであり、平成23年度に看護系の学術集会でその成果を発表予定である(現在エントリー中)。
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