本研究の目的である、日本における患者-看護師間の対人援助関係の構築・促進・維持に関する看護技術の特徴を明らかにするために、平成22年度は関連文献の収集・研究協力者とのブレインストーミング・関連学会やセミナーへの参加により基礎的な資料収集を行うとともに、海外で働く日本人看護師を対象としたインタビュー調査を10月に行った。具体的には、日本での看護師経験を持ち、オーストラリアで看護師として働く、あるいは、オーストラリアで看護大学在学中の日本人看護師10名を対象とした個別、あるいは、グループによるインタビューを行った。インタビューを質的帰納的に分析した結果、日本人看護師が特異的に、あるいは、多く、行っている対人援助関係の構築・促進・維持に関する看護技術(カテゴリー)が導き出された(本研究の成果は、2011年7月中旬にメキシコにおいて行われる第2回世界看護学会(WANS)で口演発表する予定)。また、今年度、3月の日本の看護師国家試験において、合格したインドネシア人看護師が数名出たため、その方々を対象にしたインタビューを行うための事前準備を行った。それに向けて、学術集会においては、外国人看護師を対象にしている他研究者や、対人援助関係に関する研究を行っている研究者との情報交換を行ったりした。来年度以降、厚生労働省関連の団体に当該看護師の所属を確認し、インドネシア人看護師のインタビューにむけて、研究協力依頼・データ収集・分析を行っていく予定である。
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