「看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針(1992年)」においてライフスタイルに対応できるよう、幅ある勤務体制が提言され、1994年には基準看護下で二交替制勤務が認められた。その後、急速に日本全国に二交替制が普及している(2001年日本看護協会調べ、18.0%)。日本での二交替制勤務は、8時間-16時間のサイクルを取っているものが多く、看護師は長時間の連続勤務をすることとなる。長時間勤務がインシデントを増やす要因である可能性が高いという報告が多いが、これまでの三交代制勤務と二交代制勤務を比較した研究は少ない。本研究の目的は、一般的に導入されている二交替制勤務(8時間-16時間)と三交替制勤務を、疲労感、精神的健康度、睡眠の質、日中の眠気などの看護師自身の健康面に加え、看護師のワークパフォーマンス、インシデント・アクシデントといった患者ケアの質に関する看護業務の面から評価することである。 本年度は、次年度の調査実施に向け、研究協力施設に調査の実施を依頼し、了承を得た。研究協力施設の勤務体制について、聞き取りを行った。また、事前に決定していた測定項目について、研究協力施設の担当者と議論し、現場の看護師が回答しやすいように項目を修正した。その後、京都大学、および研究協力施設への倫理委員会への研究計画について審査を受け、承認を得た。次年度の実施に向けて、研究協力施設にて研究の説明会を行うとともに、調査実施の準備を行った。 (603文字)
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