本研究の目的は、21-23年度にかけて倫理コンサルタントが、研修指導医、専門・認定看護師及び看護管理者、ある症例における倫理的な問題の認識及び異なる専門的な視点について明らかにすることである。そのために、21年度に行った以下、3つ調査を受けて行った22年度の実績報告を記す。 (1)国内において倫理コンサルテーションを実践している者に質問紙調査を用いたデータ収集。 (2)看護師が洗髪という清潔ケアを行う際の判断の過程と判断価値の概念化を質的帰納的手法にて実施。 (3)医学、看護、作業療法、理学療法、臨床検査、薬学の1年生が、各専門職として患者の治療判断を検討した時、どのような判断をするのかグループワークに自由記載したワークシートを用いて調査した。 22年度はその結果を受けて、以下のことを継続した。 (1)21年度収集したデータに関して、スーパーバイズを受けながら、分析中である。 (2)(1)の対象者との類似性、特異性を検討するために、認定・専門看護師及び看護管理者、臨床指導を担当する医師、倫理学者を対象に同じ質問紙調査を用いてデータ収集を行った。これについては、現在、スーパーバイズを受けながら分析中である。 (3)21年度に行った(3)の研究結果については、オーストラリア、シドニーで行われた学会、第5回All Together Better Healthで発表した。さらに、21年度の結果を受けて、質問紙を作成し、医学科、保健学科(看護学、リハビリテーション学、検査学)、薬学部在籍の1年生と4年生に対して質問紙調査を用いて、データ収集を行った。現在、データ入力が完了し、分析するためのデータセットを作成中である。 来年度、成果発表にむけて、分析を続けていく。
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