本研究の目的は、病院に勤務する看護師のキャリア志向尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検討することである。予備調査後、病院に勤務する看護師517名を対象に郵送による質問紙調査を実施し、有効回答数は278名(回収率53. 8%)であった。キャリア志向尺度試作案は30項目で、5段階評定により測定した。因子分析により因子的妥当性の確認を行った結果、「看護師へのコミットメント」「専門性の向上」「生活との調和」「教育・育成への関心」「ジェネラリストとしての成長」の5因子23項目が抽出され、各因子の内的整合性の指標であるCronbachのα係数は0. 76~0. 92を示し、信頼性・妥当性が確認された。今後、看護師のキャリアの多様性を網羅する尺度へと発展させていくためには、管理・マネジメントに関する項目を追加し、対象者の範囲を拡張しながら検討してく必要性がある。
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