研究概要 |
本研究は,中堅看護師の果たすべき役割やその意義とはどのようなものなのかを明確にするとともに,中堅看護師の就業継続に向け管理者に必要とされる支援を提案することを目的としている. 平成22年度は,下記に示す2つの目的を達成するため研究を実施した.まず,一点目の目的は,中堅看護師の就業状況・就業内容,及び役割認識に関する内容を把握するため,平成21年度に調査を行ったデータを分析することであった.分析により,明らかになったことは,大きく次の二点であった.中堅看護師は,所属部署にて自身が担う役割を認識し,かつ今後の将来展望を持ちながら業務に就いていた.ただ.この二点について,上司である所属長(師長)に伝える,あるいは確認する,承認される,といった明確な行為は,能動的にとっていないことが多く,受動的にも受けていないことが分かった. 続いて,二点目の目的として,管理者,若手看護師が認識している中堅看護師の役割内容を明らかにするため,調査を実施した.調査方法は,半構造化インタビューとし,調査項目は,「協働している中堅看護師の実際について」「自身が認識・期待している中堅看護師の役割について」の二点を共通項目とし,個別項目として,管理者には「中堅看護師の育成に関しての考え」を,若手看護師には「自身が目指す中堅看護師像と目標とする先輩」等についてである.これらのインタビューデータは,現在分析を進めているところである. 今後は,上記二点の結果から明らかになった内容を統合し,分析内容に偏りがないかを確認し,必要に応じてサンプリングを行うことも予定している.
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