研究の目的:介入(与薬に関する講義のみ+与薬に関する情報の提供)の有効性を明らかにする。 研究実施計画:検討した介入方法(講義+情報提供)を行う。 研究の成果:計画通り介入ができなかったが、ヒヤリハットの要因に関する文献検討をおこなった。その結果、看護師個人要因として、さまざま要因が明らかになった。勤務時にその看護師がどのような状態にあるかによってエラーが起こりやすい状態であるかどうかを推測でき、心身が疲労している状態では、思考の統合機能の働きが悪くなり、思い込みや不注意が起こりやすいことがわかっており、看護師の個人要因を減らすことができるような看護師個人での対策や組織的な対策が必要である。今回の結果では、年齢が要因として明らかになっている。年齢と経験年数が関連していると考えられる。経験年数が多い看護職ほど事故防止行動をとっているが、経験年数の浅い看護職は、単純な確認の怠り、知識不足、技術未修得、業務に不慣れの4つの要因からエラー回数が多くなっていることが知られている。また「心理的ストレス」や「身体的ストレス」が要因として明らかになっている。これらは、看護師の健康状態にも関連することが予想される。研究者らが、病院勤務の女性看護師8328人を対象におこなった研究では、現在治療中の病気のある者は3614人(43.4%)であった。看護師の4割は治療中の病気のある者がおり、健康状態に関連する要因の影響は大きいと考えられる。 この結果を踏まえ事前調査として、関東病院情報2012年に掲載されている病院の看護管理者に看護師を対象とした与薬に関するヒヤリハット防止のため効果的な介入方法に関する調査を行う。
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