今年度は、既存の看護技術自己到達度評価表の電子化、既存の看護技術自己到達度評価表の学生の活用の実態、ポートフォリオの有効性に関する文献検討について取り組んだ。 新たに作成したSSDER入力・閲覧WEBページは以下のことに配慮した。 (1)入力のわかりやすさ・簡便性。 (2)変更時の対応の簡便性。 まず(1)について、WEBページのデザインを学生が手書きで記入するSSDER記録用紙の紙面にできるだけ近いものに、用紙のページ内容とWEB上の各ページの内容を対応させ、入力順番も同一とした。入力はキーボードを使わず、マウスのみでできるようにした。次の(2)について、WEBページをデータファイルから表示の都度、プログラム的に作成する方法をとった。これにより実習項目の内容、順番等に変更があった場合でもWEBページデザインを編集するのではなく、データファイルを書き換えるだけでWEB上の表示を変更することができる。また(1)について、紙面で見やすいデザインとWEBで見やすいデザインは必ずしも同一ではない可能性があり、今後、運用を通して検討を重ねる必要がある。 看護技術自己到達度評価表の活用度については、実習の度に実施した看護技術にチェックはしているものの、自己の学びの振り返りとしてはあまり活用できていない実態が明らかになった。 ポートフォリオに関する文献検討では、ポートフォリオ評価を行うことで、自己教育力の向上に効果があることが言われている。 電子化を行った看護技術自己到達度評価表の機能に、ポートフォリオを導入することによってもたらされる利点が取り込まれるように、そして学生にとってそれを活用することの意義が分かりやすく伝わり、簡便な操作でシステムを使用できるような仕様書のさらなる検討が必要である。次年度は実際のシステムの完成とシステムのテスト運用を行い、有効性の評価に関する評価指標の構築を目指す予定である。
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