本研究は、生物災害対応において病院機能別(感染症指定医療機関、災害拠点病院、救急告示病院)に看護師に求められる役割・知識・技術と現在の看護師の準備性を明らかにし、生物災害に関する看護師継続教育の方向性と必要とされる内容を抽出した上で、病院機能特性に応じた看護師への生物災害対応教育プログラムを開発することを目的とする。平成23年度は、前年度調査で得られた病院機能別施設(感染症指定医療機関59施設、災害拠点病院50施設、救急告示病院31施設;合計140施設)の看護師(合計200名)の回答をもとに、各施設向けの教育プログラムの作成・検討を行った。<感染症指定医療機関用教育プログラム>回答した感染症指定医療機関の看護師の6割は、平成21年新型インフルエンザA/H1N1流行時に「新型インフルエンザ疑い患者/新型インフルエンザ患者の診療補助・看護・家族対応」を、5割は「発熱外来での患者・家族対応」「発熱外来での診療補助」「医療職への情報提供・感染防止教育」を行っていた。そのため、外来・病棟での診療補助・看護・家族対応を中心とした内容(講義と技術演習)および、感染防止教育方法に関する内容とした。<災害拠点病院用教育プログラム>回答した災害拠点病院の看護師の5割は「新型インフルエンザ疑い患者/新型インフルエンザ患者の診療補助」「医療職への情報提供・感染防止教育」を行っていた。そのため、病棟での診療補助に関する内容(講義と技術演習)および、感染防止教育方法に関する内容とした。<救急告示病院用教育プログラム>回答した救急告示病院の看護師の8割は「新型インフルエンザ疑い患者/新型インフルエンザ患者の診療補助」を、7割は「患者の看護」を、6割は「家族対応」「発熱外来での患者・家族対応」「発熱外来での診療補助」を行っていた。そのため、外来および病棟での診療補助・看護・家族対応を中心とした内容(講義と技術演習)とした。
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