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2010 年度 実績報告書

がん化学療法を受ける肺がん患者のストレスおよび関連因子の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21792199
研究機関弘前大学

研究代表者

北島 麻衣子  弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (70455731)

キーワードがん化学療法 / ストレス / 唾液中ストレスマーカー / がん看護
研究概要

がん化学療法目的で入院中の肺がん患者28名を対象に、化学療法前後でのストレス変化を唾液中バイオマーカーおよび質問紙で調査し、唾液を用いたストレス評価が有用であるか検討した。また、ストレスとQOLの関連、ストレスに影響を与える因子についても分析した。
1)対象者の属性
対象者は、男性19名、女性9名、平均年齢63.4±15.1歳であった。化学療法後7日目までの副作用として、倦怠感が7名、食欲不振が10名、嘔気が4名の対象者にみられた。
2)化学療法前後におけるストレスの変化
ストレス評価指標として、唾液中コルチゾール・分泌型免疫グロブリンA(以下、s-IgA)、日本語版POMS短縮版を用いた。結果、唾液中s-IgA値が化学療法前から7日目にかけて有意に上昇し、POMSの下位尺度「緊張-不安」が有意に低下した(P<0.05)。唾液中s-IgAは快適・リラックス下で上昇するといわれていることから、化学療法前の治療に対する不安や緊張の感情が7日目にかけて低下したことによりIgAが上昇したと考えられた。また、ストレスの程度に性別、年齢、副作用の有無による差はみられなかった。
3)ストレスとQOLとの関連
QOL評価は肺がん患者特異的QOL尺度であるFACT-Lを用いた。FACT-Lは得点が高いほどQOLか高いことを示す。結果、唾液中コルチゾールとFACT-L総得点に有意な負の相関がみられ(r=-0.4、P<0.05)、ストレスが高いほどQOLが低いことが示唆された。
唾液採取は入院中のがん患者にも低侵襲であるため、唾液によるストレス評価は有用であることが示唆された。また本研究結果より、過度のストレスはQOLの低下をまねくおそれがあることから、ストレス軽減をはかる看護ケアを提供する必要性が改めて確認された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The stress and QOL in lung cancer patients undergoing chemotherapy2011

    • 著者名/発表者名
      Maiko Kitajima, Yuka Noto, Hideaki Yamabe
    • 学会等名
      The 14^<th> East Asian Forum of Nursing Scholars
    • 発表場所
      韓国ソウル
    • 年月日
      2011-02-11

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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