本研究は、肺がん患者のストレスに着目し、主観的・客観的評価指標による経時的ストレス推移および関連因子の検討を目的に実施した。対象は、がん化学療法目的で入院中の肺がん患者28名で、化学療法前~約2週間唾液を採取、化学療法前および投与後7日目に質問紙POMS短縮版、QOL評価に回答してもらった。結果、唾液中分泌型IgAが化学療法前から7日目に有意に上昇、POMS「緊張-不安」が有意に低下した。また、QOL総得点と唾液中Cortisol濃度に有意な負の相関がみられた。以上より、化学療法前は緊張・不安を主としたストレスを有し、QOLが低いほどストレスが上昇することが示唆された。
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