研究概要 |
脳卒中は,死亡率こそ減少したものの毎年250万人程度が新たに脳卒中に罹患しており,特に脳梗塞の発症率は増加し続けている。脳梗塞患者の約20~30%が再発作を起こし,より深刻な後遺症を残すことも多いことから,再発作を予防することは重要な問題である。 本研究の目的は,1. 脳梗塞患者の再発作予防に向けた活動・栄養摂取バランス(特に血中脂質・脂肪酸組成など)について調査し効果的な食生活指導内容を明らかにすること,2. 入院患者に対して食生活指導を行い,特に脂質摂取の自己管理継続のための看護職の関わりについて検討することである。平成21年度は脳梗塞患者の活動・栄養摂取状況,栄養摂取バランスの特徴を明らかにするために測定する調査内容や方法について事前調査をもとに検討を重ねることが課題であった。 その結果,他の慢性疾患患者の調査を参考にした調査用紙では,食事内容の詳細を正確に答えられない場合があることから,調査用紙の再検討が必要になった。また,活動内容とレベルの測定に加え,生活リズム(活動時間と生活時間との関係)の把握も影響している可能性が考えられ,調査用紙の修正を行っている。さらに,調査用紙の修正に加え,目的の1つである脳梗塞患者の特徴を明確にするためには,同世代の健常者と比較する調査だけでなく,食事内容が正確に把握できる対象として,入院患者を対象とした調査することを視野に入れる必要性が考えられた。現段階では,22年度実施の第1本調査に向けて,調査項目や調査方法の見直しと調査依頼施設との調整を行っている。
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