研究概要 |
脳梗塞の初発は軽症であることも多いが再発作率は高く,より深刻な後遺症を残す場合も多いことから,再発作予防は重要である。本研究の目的は,(1)脳梗塞患者の再発作予防に向けた活動・栄養摂取バランス(特に血中脂質・脂肪酸組成など)について調査し効果的な食生活指導内容を明らかにすること,(2)入院患者に対して食生活指導を行い,特に脂質摂取の自己管理継続のための看護職の関わりについて検討することである。 平成22年度は事前調査で検討した記録用紙を用い,脳梗塞で入院している患者を対象に食事内容・摂取量と活動量の記録,血液検査等の調査を実施した。食事や活動の記録は1週間のうち連続した3日間,血液検査は1週間おきに2回行った。現在は食事から摂取している脂質量や日常の活動量の算出,及び,それらと血中脂質組成との関連について分析を進めている。特にLDL-cholesterol,n-3系脂肪酸のEPA (Eicosapentaenoic acid)やDHA(Docosahexaenoic acid),EPA/AA比,ALA(α-linolenic acid)などに着目した分析を行い,再発作予防に向けた生活管理(特に食生活管理)のあり方について検討する計画である。平成23年度は本結果をもとに検討した生活管理指導を脳梗塞患者に実施し,第2調査である指導後の自己管理の実態や管理方法の継続等に関する調査を行う。実施に向けた計画修正や調査依頼施設との調整を予定している。
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