外来化学療法を受けるがん患者が増加してきており、日常生活を送りながら治療を継続できるメリットのある一方、副作用症状への対処など、患者らが直面する困難に注目した研究が行われるようになっている。そのなかで、何とか自分なりに治療を生活に組み込んで「適応」してきていると考えられる患者のプロセス体験に焦点をあてた研究は少ない。本研究は、外来化学療法を受ける進行がん患者の適応に至るプロセスについて明らかにすることを目的とする。また、そこから、適応を促進する看護援助について検討する。化学療法開始直後から時間的経過と共に患者の体験を追い、治療を受けながらの生活に適応していると考えられるまでのプロセスを抽出する手法をとるため、より現実に即したかたちで患者がどのようなことを体験し、それにどのように向き合い、対処しているか、その中でどのようにその生活に適応していっているかを明らかにできると考える。そして、よりタイムリーな支援として、患者にどのような看護が求められるか示唆が得られると期待できる。 22年度は、胃がんに罹患した患者1名に対してインタビューを行った。逐語録を作成し分析中である。今後、肺がん、造血器腫瘍に罹患した患者にインタビュー予定である。
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