研究概要 |
【目的】(1) 外来通院中の2型糖尿病患者の主観的睡眠の特徴を明らかにする。(2) 2型糖尿病患者の主観的睡眠と血糖コントロールとの関連を明らかにする。 【方法】対象者のPSQI総合得点・「睡眠の質」は高得点群(睡眠障害あり、睡眠の質悪い)、低得点群の2群とし、「睡眠時間」は「6時間未満」「6~7時間」「7~8時間」「8時間以上」の4群にした。HbA_<1c>との関連を検討するためt検定、一元配置分散分析を行った。統計処理はSPSS16.0を使用し、統計学的有意水準は5%とした。大学倫理委員会の承認、研究協力者の同意を得て実施した。 【結果および考察】対象者183名の平均年齢62.7歳、65歳以上の高齢者群88名(48.1%)、男性106名(57.9%)、平均HbA_<1c>6.66%であった。PSQI総合の平均得点5.1点であり、「睡眠障害あり」の者70名(38.3%)であった。対象者全体の「睡眠の質」高得点群の平均HbA_<1c>は、低得点群より有意に高く(p<0.05)、睡眠時間「6時間未満」群のHbA_<1c>は、「8時間以上」群より有意に高かった(p<0.05)。年齢別性別でみると、高齢者の「睡眠障害あり」が43.2%と中年者群より高い傾向だった。高齢者群の「睡眠の質」高得点群のHbA_<1c>は、低得点群より有意に高く(p<0.01)、女性の「睡眠の質」高得点群のHbA_<1c>は、低得点群より有意に高かった(p<0.05)。女性の睡眠時間「6時間未満」群のHbA_<1c>は、「6~7時間」群と「8時間以上」群より有意に高かった(p<0.01,0.05)。 以上より、外来での2型糖尿病患者看護には、従来の食事・運動指導等の指導に加え、年齢・性別の特徴を踏まえて「睡眠の質」「睡眠時間」についても十分に観察・アセスメンツしていくことが重要であると考える。今後も睡眠と血糖コントロールに影響する要因も含め、調査していく必要があると考える。
|