広島県内のがん診療連携拠点病院である広島大学病院、県立広島病院、広島赤十字・原爆病院、広島総合病院、呉医療センター、東広島医療センター、市立三次中央病院、福山市民病院、尾道総合病院、9施設の外来で治療を受けているがん患者の家族(患者が主たる支援者と認知している者)もしくは患者1048人に調査票を配布し、663通の返信を得た(回収率:63.3%)。患者が回答していた5通を除いた658通を分析対象とした(有効回答率:62.8%)。性別は男性217人(33.0%)、女性437人(66.4%)、無回答4人(0.6%)であった。平均年齢59.51歳(SD13.07)で、患者との続柄は、「配偶者」が最も多く466人(70.8%)、つづいて「子ども」125人(19.0%)、「親」26人(4.0%)などであった。就業状況について、「常勤」199人(30.2%)、「非常勤・臨時雇用」83人(12.6%)、「専業主婦」210人(31.9%)などであった。経済満足度について、「とても充分」と評価した対象者が14人(2.1%)、「充分」79人(12.0%)、「まあまあ充分」241人(36.6%)、「あまり充分でない」212人(32.2%)、「まったく不充分」102人(15.5%)、無回答10人(1.5%)であった。健康状態について、同年代の人と比べて「悪い」と評価した対象者は191人(29.1%)、「だいたい同じ」328人(49.8%)、「良い」135人(20.5%)であった。家族が抱える悩みとして最も多かったのは「患者の今後の治療や将来について」226人(34.3%)、つづいて「患者の痛みや副作用等の身体的苦痛」210人(31.9%)、3番目は「患者の不安や恐怖など精神的苦痛」95人(14.4%)、4番目は「なし」45人(6.8%)、5番目は「収入、治療費、貯蓄などの経済的なこと」31人(4.7%)であった。負担については、「なし」と回答した家族が最も多く204人(31.0%)、つづいて「収入、治療費、貯蓄などの経済的なこと」146人(22.2%)であった。以上のことから、経済的問題を抱えながら、患者の対応に苦慮している家族の姿が明らかになった。
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