肺がん患者の術後不快症状に対するセルフケア促進のための看護支援方法の検討を行うために、肺がんで手術治療を受けた患者の術後症状経過と日常生活への影響について、退院時から術後6ヵ月までの経月的推移について調査した結果、肺がん手術療法後の残存した不快症状の1つとして、肩部不快症状が存在し、患者の日常生活へ影響を及ぼすことが明らかになったことから、急性肩部症状と影響要因について、第17回国際がん看護学会(the 17th international conference on cancer nursing:プラハ)に参加し、研究発表を行うとともにがん患者に関する研究の動向や情報収集を行った。患者のQOLの向上のため、手術治療も鏡視下を使用した縮小化が行われているものの、本研究において、肺がん手術療法後の患者の術後不快症状について縦断的調査を行うことで、難治性のがんである肺がん患者は、がん手術療法後も、治療に伴う不快症状が存在し、患者の日常生活に影響を及ぼしていることが明らかになった。学会への参加や発表を行うことで、手術治療のみで治療が完遂することが少ないがん患者に対して、患者の心的エネルギーの維持とともに、社会復帰に向けた回復的リハビリテーション内容の検討の必要性が示唆された。現在、患者の不快症状の対する対処の内容も踏まえた論文を作成中である。
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