ベーチェット病患者の疾病を受容していく過程とそれを促進していく要因を明らかにし、今後の看護援助の方向性を見出すことを目的に調査を実施した。 本調査を進めていくにあたり、平成21年度は、地域ケアシステムを構成する重要な資源のひとつとしての相互援助を行うセルフヘルプグループ(以下、患者会と略)について、現在の患者会の活動状況に関して、意見や要望を把握するために調査を実施し、今後の無記名自記式質問紙調査およびインタビュー調査の基礎資料とした。 対象は、A県内の特定疾患医療受給の認定を受けているベーチェット病患者270名であり、調査方法は、郵送法による無記名自記式質問紙調査、調査内容は、属性(性別、年齢)、患者会の認知、役割について、患者会の活動に関する要望とした。その結果、94名(34.8%)からの回答があった。対象者の属性は、男性38名(40.4%)、女性56名(59.6%)、年齢は、50歳代、60歳代がそれぞれ22名(23.4%)と最も多く、次いで、40歳代が14名(14.9%)であった。患者会の認知に関して、知っているは50名(53.2%)であり、認知の方法は、国保・健康増進課からの郵送が66名(70.2)と最も多かった。患者会の不参加の理由は、【時間が合わない】という意見が最も多かった。患者会の今後の取り組みについての意見では、【病気に対する知識とこれからの医療状況】という意見が最も多かった。 この結果をもとに、平成22年度は、患者会に入会している患者を対象に本研究の調査を依頼し、同意を得て、無記名自記式質問紙調査およびインタビュー調査を実施する予定である。
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