患者会を運営しているベーチェット病患者が患者会の運営を通して、疾病を受容していく過程とそれを促進していく要因を明らかにし、看護職としての支援のあり方を検討した。 対象は、ベーチェット病を持ち、現在、症状は落ち着いており、日常生活を送りながら患者会を運営している患者に対し、半構成的面接法で面接を行い、対象者の許可を得て、ICレコーダーで面接内容を録音し、逐語録を作成し、分析した。 その結果、患者会を運営していく中でベーチェット病患者の疾病を受容していく過程とそれを促進していく要因には【パワーレスネス期】〈患者会の必要性を感じながらも葛藤する〉、【準備期】〈資源をパワーに変換する〉、【生活行動拡大期】〈患者会設立の苦労を体験する〉〈メンバーと協力して患者会を運営〉、【問題解決と自己認識の変化の段階】〈メンバーで問題を解決する〉、【ステップアップ期】〈メンバーとの関係性を再構成する〉〈仲間のニーズを把握し援助する〉〈目標に向かい行動する〉〈社会に向けて目標を持つ〉に分類された。 また、今回の研究において、患者の個人因子や社会背景がこのプロセスに影響していた。 つまり、疾病を受容していく過程とそれを促進していく要因は外部からの働きかけのみによって起きうるのではなく、個人の意思や自己の潜在能力への気付き、自信の形成などがあって始めて起きるものである。したがって、看護職は動機付けや必要な情報の提供を行い、時には患者と喜びを共感するなど、患者の実践能力を高めていけるような支援を行っていくことが必要である。
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