本研究の目的は、がん看護に従事する看護師のピアサポートの実態と看護師チームのピアサポートに対するニーズを把握し、ピアサポートプログラムの要素の抽出、およびプログラム試案を作成することである。今年度は、以下の2点を実施した。1.国内外で類似する研究の資料・情報収集・文献検討の実施:日本がん看護学会等へ参加や資料収集及び文献検討を行い、がん看護に従事する看護師支援に関する研究の動向の明確化とともに、研究方法の調整、準備等を行った。2.がん看護に従事する看護師が認識しているピアサポートの実態把握:がん看護に従事する看護師力弐ピアから提供されたと認識しているサポート内容および、ピアに対して提供したと認識しているサポート内容について面接調査を行い、各々5カテゴリーが形成された。がん看護に従事する看護師のケア実践におけるピアサポート内容は、【看護実践の向上を促進する支援】、【看護実践や業務遂行の円滑化に向けた実践的な支援】、【看護実践や(存在価値)役割機能に対する評価のフィードバック】、【協働を推進する関係性と環境づくりの促進】、【感情コントロールの促進に向けた支援】であり、これは、提供されたと認識している内容と提供したと認識している内容で類似し、概ね共通したカテゴリーを形成した。今後は、看護師のピアサポートに対するニーズを把握するため、看護師が看護チームのピアに希望あるいは期待するサポート内容についてフォーカスグループインタビューを通して検討する予定である。
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