これまでに急性期の人工呼吸器装着期間は示されているが、急性期人工呼吸器ケアの内容は実際にどの程度の患者にどのようなケアを行っているのかわかっていない。現在の急性期人工呼吸器ケアのスタンダードと医療経済効果が不明瞭な状態にある。本研究の目的は東海地区における急性期領域で看護師が行う人工呼吸器ケア内容の実態を明らかにする。次に、病院規模、特定集中治療室、呼吸器ケア専門職の配置などの施設要因と疾患などの患者要因、人工呼吸器装着期間、ICU滞在期間、入院期間と人工呼吸器ケアの関連を明らかにすることである。本年度は急性期領域で看護師が行う人工呼吸器ケア内容の実態を把握するために所属施設・研究協力施設における倫理審査及びデータ収集に使用するために開発したバーコードシステム(人工呼吸ケアの内容をカウントする)のデモを行うことであった。倫理審査においては、VTR撮影などが加えられており倫理的配慮が十分に行えるかどうか、同意書を取るタイミングなどの面で配慮すべきところがあり、再審査の途中である。今後それらを踏まえて、方法論等見直し協力施設に依頼する予定である。バーコードシステムのデモストレーションにおいては、模擬患者を想定し行った。患者の重症度評価ではAPACHE IIスコアを入力する。これらはバーコード端末に手で入力することとなり、一回の入力に時間かかることが判明した。急性期領域では処置やケアが頻回に行われることが多いため、入力の簡素化は欠かせない。そのため、今後さらに簡便化を図るために改良の予定である。
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