ICUでの人工呼吸器装着患者及び看護師のコミュニケーションの体験を明らかにすることを目的に、本年度はICUでの人工呼吸器装着患者及び看護師のコミュニケーションに関連する文献検討を行った。 文献検討では、1)ICUでの人工呼吸器装着患者のコミュニケーションの困難感、2)患者が期待するコミュニケーションの実践、3)看護師が体験するコミュニケーションの困難感、4)看護師が提供するコミュニケーションの実践をテーマに諸外国の文献を中心に検討を行った。文献検討の結果、患者看護師間のコミュニケーションの諸問題が多く報告されていた。患者看護師間のコミュニケーションが効果的に行われないと、患者・看護師の両者ともに失望感抱くことが明らかとなった。また非効果的コミュニケーションは、看護師が提供する看護の質と患者が受ける看護の質に影響を及ぼすことが明らかとなった。そして、看護師が十分なコミュケーション技術の訓練を受けていなことが効果的コミュニケーションの成立に影響を与えることが明らかとなった。本邦におけるICUでの人工呼吸器装着患者と看護師のコミュニケーションに関連する文献はほとんど見あたらなかった。 次年度は、本年度の文献検討の結果から、ICUで人工呼吸器を装着した患者およびICU看護師を対象に、ICUでのコミュニケーションの体験から、人工呼吸器装着患者が体験するコミュニケーションの困難感および期待するコミュニケーションの実践、ICU看護師が体験する人工呼吸器装着患者とのコミュニケーションの実践およびコミュニケーションの困難感を明らかにしていく。
|