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2010 年度 実績報告書

がん療養相談における意思決定サポートプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21792233
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

川崎 優子  兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (30364045)

キーワードがん看護 / 相談技術 / 意思決定 / サポート
研究概要

【目的】がん療養法について意思決定サポートを必要としている患者を対象に、「がん患者の療養上の意思決定を支援する共有型看護相談モデル」を提供し効果検証を行う。
【方法】Pre調査として、がん療養上の意思決定に関する相談に訪れた患者10名を対象に面談を行い(対照群5名、実験群5名)、面談前後に(1)葛藤尺度(DCS)、(2)状態-特性不安検査(STAI)を測定した。患者のデモグラフィックデータや反応、介入内容の詳細はフィールドノートに記載した。
【結果】協力者の概要は、平均年齢62.2±9.61歳、治療開始後月数33.2±3.75ヶ月、面談所要時間数93±56.82分であった。デモグラフィックに関するベースラインデータは2群間で違いはみられなかった。介入前の日本語版DCSの尺度全体では、実験群3.45(SD=1.23)、対照群2.12(SD=0.79)、介入後のDCS尺度全体では実験群2.10(SD=0.95)、対照群1.78(SD=0.64)と面談前後ともに有意差がみとめられた(P<0.01)。実験群の方が葛藤としてはより高値であった。介入前のSTAI尺度全体では、実験群104.6(SD=37.3)、対照群89.2(SD=20.9)、介入後のSTAI尺度では、実験群80.4(SD=31.5)、対照群40.2(SD=10.1)と介入前後ともに2群間の有意差は認められなかった。状態不安、特性不安についても有意差は認められなかった。
【考察】本モデルを用いた面談を行うことにより、がん患者の抱えている葛藤がより改善されるということが明らかとなった。これは、患者の意思決定プロセスを共有するという看護師の関わりが患者の葛藤を低下させることに繋がったといえる。この結果をもとに次年度は100名を対象とした本調査を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] がん看護領域における外部コンサルテーション技術の構造2011

    • 著者名/発表者名
      川崎優子, 内布敦子, 荒尾晴恵, 成松恵, 上泉和子, 松本仁美
    • 雑誌名

      兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要

      巻: 18 ページ: 23-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 外来化学療法を受けているがん患者の看護ニーズ2011

    • 著者名/発表者名
      川崎優子, 内布敦子, 荒尾晴恵, 大塚奈央子, 滋野みゆき
    • 雑誌名

      兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要

      巻: 18 ページ: 35-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大腸全摘術を受けた家族性大腸腺腫症患者が排泄障害への対処方法を獲得するプロセス2010

    • 著者名/発表者名
      川崎優子
    • 雑誌名

      日本がん看護学会誌

      巻: 24(1) ページ: 35-43

  • [学会発表] がん看護領域における外部コンサルテーションモデルの開発2010

    • 著者名/発表者名
      川崎優子, 内布敦子, 清水麻紀, 山岸美紀, 細見裕久子, 竹村陽子
    • 学会等名
      第30回日本看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      北海道コンベンショウンセンター
    • 年月日
      2010-12-04
  • [学会発表] Shared Decision Making Skills for Cancer Patients.2010

    • 著者名/発表者名
      Yuko Kawasaki
    • 学会等名
      Oncology Nursing Society 35th Annual Congress
    • 発表場所
      San Diego, U.S.A.
    • 年月日
      2010-05-13

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公開日: 2012-07-19  

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