本研究の目的は、外来化学療法を受ける子どもと家族のヘルスプロモーションを促す看護援助を検討することである。今年度は、昨年度収集した情報・資料より質問紙を作成し、外来化学療法が子どもおと家族に与える影響についての実態調査を行うことを目的とした。また、外来化学療法中の子どもと家族への看護師の役割についての示唆を得るために、Ronald Reagan UCLA Medical CenterのOncology Clinicを訪問し、関係者と面談を行うとともに、実際の臨床場面に入り具体的な支援についての情報を得た。Oncology Clinicでは、ナースプラクティショナーが入院中から退院後も継続的に子どもと家族に関わり、疾患管理から生活面まで個々の子どもの成長発達や特性に合わせた支援を行っていた。'また、治療に関わる看護師は、プライバシーの保たれた個室で処置等を行い、子どもと家族の状況をアセスメントし看護を実践していた。以上の情報も取り入れ、文献検討や情報収集より質問紙を作成した。作成においては、小児がんの専門家にスーパーバイズを受けながら追加修正を行った。今後データ収集を行い、分析を行う予定である。また、実際に外来化学療法で子どもと家族に関わる看護師に対してインタビューを行い、看護の実際と問題や看護師が子どもと家族の抱える困難をどのように認識し、看護援助を行っているかを明らかにし、今後の外来化学療法中の子どもと家族に対する支援の方向性について検討する予定である。
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