在宅障害児とその家族のサービス利用の有無の関連要因およびサービス利用のプロセスの評価について、利用者である保護者の視点から明らかにすることを目的とし、在宅障害児の保護者への無記名自記式質問紙調査を実施した。一県内の特別支援学校(3校)に通学中の子どもの保護者のうち、質問紙調査票の返送が得られた128人を対象として分析した結果、保健医療福祉サービスに関する情報をより多くもっていた保護者が、持っている情報が少ない保護者と比較して、サービスを利用していた(p=0.01)。また、子どもと家族の視点に立脚した医療機関の評価尺度であるMeasure of Processes of Care(MPOC-20)で測定したサービス利用のプロセスの評価では、<尊重された支援的対応方法>は高い得点を示したが、<患児の状態に関する情報提供方法>は得点が低かった。さらに保健医療福祉サービスに関する情報入手のタイミングでは、62.7%の保護者は必要な時に必要な情報を得られなかった経験があると回答した。これらの結果から、サービスを必要とする在宅障害児とその家族へのより利用しやすいサービス提供のためには、タイムリー、かつ個別性のある情報提供とその実現に向けたサービス情報提供システムの構築が必要であることが示唆された。
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