研究概要 |
本研究では,Sarah L. Chamlinらによってアメリカで開発されたChildhood Atopic Dermatitis Impact Scale(CADIS)の日本版を開発すること,その結果を分析することにより,アトピー性皮膚炎の子どもの家族へのよりよい看護介入または育児支援のための示唆を得ることを目的としている。今年度は,前年度までに作成したCADIS日本版(試案)を用いた一次調査を行い,項目の見直しを行った後に,2次調査を実施した。 一次調査では,愛知県内の小児アレルギー専門医に, 重症度と合併症の記載及び対象者への質問紙の配付を依頼した。7か所の医療機関の協力を得て110部の質問紙を配付し,回収は47部(回収率42.7%)であった。一次調査データより,主に対象属性や現在の治療の状況に関する部分について,回答しにくい,あるいは重複している項目等を除き,全体を整えた。CADIS日本版(試案)については,回答状況から,極端に回答しづらいと思われる項目はなかったため,一次調査の段階では項目の精選は行わず,そのままCADIS日本版とした。 二次調査は,全国の小児アレルギー専門医に協力を依頼した。ご協力いただけた病院・医院・クリニックは計23か所であった。現在265部を配付し,今後300部程度配付が依頼できる見込みである。現段階での回収は,95部(回収率35.8%)である。今後は,配付及び配付した質問紙が返送されてくるのを待ち,解析する予定である。
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